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2010/01/07 京の春 ひやおろし

東京から帰って清酒で晩酌。酒は「京の春 ひやおろし」。ひやおろしを昨秋何本か求めたが、これはすっかり失念していた。あらあらこんなのがあったよと、今宵持ち出して口を切る。

舟屋で名高い丹後半島、京都府伊根町にある向井酒造株式会社。杜氏は蔵元のお嬢さん、1975年生まれの向井久仁子さん。家業を継ぐべく東京農業大学醸造学科を出られている。

蔵は、すぐ足元を波が洗うほどの海岸べりにあるという。これを買い求めた酒販店「おおさかや」さんは、「海の近くの蔵というのはままありますが、ここまでの光景は初めて目にしました」と言う。

酒米は全量、阿波山田錦使用の特別純米酒。だから徳島のおおさかやさんが目をつけているわけだが、これが呑んで旨いのである。
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自慢げ恐縮だが、久仁子さんは「神亀」あたりで修行をしたのかなと思ったら、バッチリ当たり。何故そう思ったかと言えば、同じく神亀酒造で修行した「旭若松」のお嬢さん、奈央さんが蔵に戻ってからの旭若松の酒質を彷彿とさせるのである。

そのように書くと、ちょいと久仁子さんに失礼かもしれない。これは飽くまで私が呑んだ前後関係でそう感じただけで、相互の影響、またはその度合いのことではない。

ただ感触としては、旭若松はもともと濃い酒が少々なりともすっきりの方向に行き、多分、京の春については逆にすっきりが濃醇へと向かったような気がする。京の春においては私は今回が初めて呑む酒であって、このような意見は飽くまで感触だが。

いずれにせよ、とても良い。私の好きな酒質である。一方、酒は淡麗水の如きものに限ると思っていらっしゃる方にとっては、全く受け付けない香味であろう。

はっきり申し上げて雑味が感じられるが、それがとどのつまり旨味であり、この酒の個性、美味しさの元だ。冷やの状態でもそれは感じられ、ぬる燗で上々、熱燗にしてしまうとやや凡庸となる。

京都で学生時代を過ごした私は、夏、丹後半島に遊んだ。伊根にも行った。懐かしく思い出され、またいつか行けるだろうかと暫し感慨にふける。

明日は昼に清水区で賀詞交歓会を済ませた後、また東京。夜、銀座にて会食。多分また「酒仙堂」にも赴くこととなろう。その晩は東京泊。行ったり来たりの今週。 (C)2010 taikomochi
by taikomochi-otona | 2010-01-08 08:39 | 清酒 | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona