2014/06/19 WINE BAR HAGU
2014年 06月 20日
何というか、奇妙な店だ。いや、設えが変わっているとか、料理が特殊だとか言っているのではない。モンダイがゴロゴロあるのに、奇妙に安定した空気感を醸し出している店なのである。
そこそこの席数なのに、店員はオープンキッチンとホールに、いずれも男性が一人ずつ。だから回っていない。料理が出てくるのは遅いし、閉店時の柵を片付け忘れて入り口を塞いだままで「やってるのか」と思わせたりと、ガタガタだ。
しかし、ホールの男性は決して焦りを見せず、悠々とした感じで仕事をしている。動作は悪く言えば緩慢だが、見方を変えればある種の優雅さに見えないこともない。
こちらの料理がキッチンから出来上がってカウンターに置かれ、「おおようやく」と思ったのもつかの間、彼は新たに入店した客の出迎えに行ってしまう。冷めるものではなかったこともあり、何んだかその優先順位が正しいように思えてくる。
出てくるのは遅いが、決して忘れ去られてはおらず、確実に出てくる。ワインのオススメを聞けばしっかり答えてくれ、カトラリーやグラスの交換も怠りない。忙しいだろう中、こちらとのやりとりに「端折り感」は皆無である。
そう、これはラテンヨーロッパに良くあるタイプの「イイ店」の感じだ。料理もそこら辺りの感じだし。その雰囲気を一人で醸し出しているホールのヒトは、以外と貴重な存在なのかもしれない。
ただ、ホールの方はもう少し大きな声でしゃべってくれないかな。あの囁き声では、顔を寄せないと聞こえないので。まあ、それもまた奇妙な魅力なんだけど。 (C)2014 taikomochi
by taikomochi-otona
| 2014-06-20 23:59
| 外呑み
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