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2014/11/14 この三日(てゆうか、ほぼ今日の胃カメラのこと) [後編]

検査が終わってから説明を聞くまでは、いつも混雑する待合室でかなり待つ。小一時間、といったところ。胃カメラが終わったのが九時十何分かなので、十時過ぎ位までには呼ばれて、遅くとも十一時には出られるかな、と計算していた。

で、まあそんな時間に呼ばれた。今回は生研があったので、少し緊張する。しかし先生、昨年の画像と見比べて、唸っている。確かに赤い部分があるのだけれど、自分で見ても去年のとあまり変わりない。

センセ、「まあ昨年と変わらないように見えるけれど、今日の先生(検査する先生と診察の先生は別の方)は気になったんだろうなあ」と仰る。「カメラが違うと画像も違うからなあ」などとも。

       ◇

なんだかなあ、という感じ。念のために生検するというのは、必要性も分かるし有り難いことだ。しかし不思議と「オレのキレイな胃(前編および後述ご参照)に傷がついた」という、説明し難い情念が湧き上がる。

横になって視ていた、組織を採られるたびに哀れに血を出す自分の胃の映像。目の前の先生が「若い人のようにキレイな胃だねえ」と、たった一年前に言っていたこと。それらが、なぜか理屈ではない無念さとなってゆく。

       ◇

「ところで、ピロリ菌の検査はしたことがある?」と聞かれる。「先生ご自身が、このキレイさならほぼピロリ菌はいないだろう、と昨年仰いました」と返す。「でも、この際だからやっていけば」とセンセ。

まあついでだ、しょうがない。ということで、また暫く待ってから、簡単なピロリ菌の検査(ある薬を呑む前後に風船を膨らませて、その呼気の成分の違いで調べる。ただ、間に二十分時間を置く必要がある)を受けた。

さらに超混雑の待合室で、小一時間。呼ばれて診察室へ行くと、「ピロリ菌はいませんでした」と。そんだけかい。そりゃ良かったけれど、次回生検の検査結果を聞く時にでも教えてくれれば済むハナシぢゃない。急ぐモンでもあるまいし。

       ◇

それから三たびか四たび目待合室で待って、お支払いは福澤超え。時間は午後一時になっていた。生検があったので、処方箋が出ている。最寄りのドラッグへ行くと、ここも超満員。

「時間かかります?」と聞くと、「大勢待たれていらっしゃいますので」と。ここでワタクシの何かがプツリと切れた。「では結構です」とそのまま出てしまう。歩いて半時間、自宅へまっしぐら。

       ◇

帰宅したら二時近くだ。腹ペコでどうにもならん。手も洗わずに、立ったままパンを齧って「オランジーナ」で流し込む。

処方箋とともにもらった注意書きには、クスリは切った胃を消毒して粘膜を保護するもの、検査後すぐ空腹のまま必ずのむように、とある。知らんわもう。何かがワタクシを自暴自棄にしていた。てゆうか、まだ今でもそう。

その後、晩酌までしてるし。もちろん当日は禁酒なのだが、さらに寝酒までしつつ、これを書いている。スゲー腹が立った訳ではない(そもそも腹をたてること自体、随分前に止めた)が、なんだが自虐。どうでもよい。

       ◇

しかし、気にすればすれほど、胃の辺りが痛い気がするのよ。ちゃんと薬をもらって(買って、か。正確には)おけばよかったかなあ、なんて。今頃血が出てんぢゃないか、とか。

でも「痛いよう」なんて押さえる場所が全然上の方で、切られた十二指腸との境とは到底思えなくて苦笑したり。ま、明日の朝便が黒くなければ大丈夫でしょ、と開き直ったり。やっぱ明日でも薬もらおうかなあ、なんて弱気出したり。

処方箋ってお金掛かってんだよなあ、なんてケチな思い。処方箋で出る薬ってめっちゃ安いんだよなあ、なんてケチケチの想い。渦巻きながら、やはりモルトを呑む自虐。

       ◇

畢竟、他人の不作法やら不調法を許さない自分が許せんのだろう。気持ちの小さい自分がイヤなんだろ。いやそれにしても、「胃切ったから酒呑めん?馬鹿コケ」とか「胃から血?ジョートーでわ」などアバンギャルドに未だに惚れたりもしており。

どちらにしても、大人になれんなあ。そうはいっても、なりたくもないしなあ。困ったものだ。あ、胃が痛てぇし。 (C)2014 taikomochi
by taikomochi-otona | 2014-11-15 00:23 | | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


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