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2008/07/02 峰の白梅 大吟醸なま酒

過日、日経の本誌だったか土曜別刷だったか、こんな人にはどんなお中元を贈ったら良いの、という特集があった。その中で、趣味を持っている人にその趣味関係を贈ってはいけない、というような主旨が書いてあった。

まあその通りだろう。趣味っていうのは嗜好度が強い。関わる品も、そのジャンルの中で何でも良いという訳にはいかない。だからそこを外した贈り物をすると、貰った方も困ってしまう。

酒にも、これはあてはまると思われる。例えばビールなどはお中元の定番だが、その人その宅の好み嗜好も聞かずに、適当に銘柄を選んで、或いは選びもしないで贈る方が多いのは、一体どうしたことだろうと訝しく思う。

私は酒が趣味であるが、それが広く知られていて、酒を貰うことは一般と比較して甚だしく多い。ただ、この日記をご覧になって知れるように、私の酒の趣味はバラエティ・シーキングなので、酒を貰うのは大歓迎だ。

初めて見る、知る酒を呑んでみるのは、無論結果としての肩透かしやがっかりは或る頻度で伴うが、楽しいことである。但しビールは別。ぜひともヱビスにしてください。アサヒのSDは苦手なので、貰っても全然嬉しくないので勘弁してください。
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さて長い前置きとなったが、今宵呑んだ酒もいただきもの。新潟市の福井酒造株式会社、「峰の白梅 大吟醸なま酒」。美山錦を麹米40%、掛米50%の精白歩合で、弥彦、角田山系伏流水によって仕込んだもの。

「新潟淡麗流」にこだわって造り上げた清酒との触れ込みで、限定千本の販売である。実は、私はこの新潟淡麗という方面の酒が苦手という自意識があるので、半ば恐るおそる冷酒でいただいた。

まあまあである。まるっきり水のようではなく、それなりにコクがある。かつて「上善」が流行った頃に較べると、新潟の淡麗酒を標榜する酒は濃くなって来たように感じるが、これは私だけの印象だろうか。

ただ、燗につけてみようとは思わなかった。そういう思いをいだかせるような酒質ではない。ともかく、梅雨の合間の晴れた暑い日の夜としては、清涼感のある呑みであった。くれた方、まことに有り難く。

なお、「こだわる」という言葉は「拘泥」からも類推できるように、悪い意味での執着というのが本意である。時代による言葉の意味の変遷はそれなりに尊重する派だが、本意を知っているのと知らないのでは大違いだとは思う。気をつけて使いたい。 (C)2008 taikomochi
Commented by マイタ at 2008-07-04 19:32 x
太鼓持さんにお酒をお贈りするのはとても勇気の要ることですよ。
贈る方は、太鼓持さんが自らは選ばないであろうお酒の中から、気に入っていただけそうなものをピックアップするのでしょうから。私なら怖くてエビスビールにしちゃうと思います。

一部の新潟のお酒が、未だに「淡麗」という文字を乱用しているのにはあきれたものですが、仰る通りここ数年で大分味がのったお酒が増えてきたのは喜ばしいことです。とはいえ、まだまだ他県と比べたら良い意味での個性が感じられない物も散見しますので、淡麗ブーム以前の、それぞれの特徴ある風味に早く戻ってもらいたいと願っております。
偉そうな物言いでスミマセン。
Commented by taikomochi-otona at 2008-07-04 21:28
マイタさん、どもども。

なんか酒に関しては、まあ自覚はしていますが、
やっかいなヤツですね、私は。(^^ゞ
一応は、一期一会の邂逅を楽しみにはしておるのですが。

新潟酒、優れた美味しい酒も多々存じており、尊敬申しております。
ただ、仰るように、今時「淡麗」を真っ向から述べられると、
確かにそれは引く部分がございます。

御身、プロの方ですのに、ご謙遜痛み入ります。
Commented by さけあきんど at 2008-07-05 06:12 x
おはようございます。私の店でもビールの贈り物が多いです。まだまだですね、中には「ここにくれば地酒と本格焼酎がいっぱいあるから」と言って下さるお客様もいっらっしゃいますが・・・。
新潟の淡麗は酒屋も追いかけましたし、私も「ポリシー」がなかったと反省しております。
Commented by taikomochi-otona at 2008-07-05 07:53
さけあきんどさん、おはようございます。

やはり、嗜好度が強くなる品ほど、贈答品としては難しいですね。
ある程度の、相手との深い関係が出来て、その人の好みが分かり合えませんとね。

その点、ビールは敷居が低いのですね。
しかし、それはある意味ではまだまだベルギーなどに比べて、
ビール文化が花開いていない証左でもあるのでしょう。
by taikomochi-otona | 2008-07-02 23:00 | 清酒 | Comments(4)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona