2008/07/11 姶良
2008年 07月 11日
この酒は北九州の酒販店グループが企画して、白金酒造で造られたものという。それにしても、芋焼酎の梁山泊ともいえる地の名前を冠したところ、気負いと自信のほどが伺える。
仕込みに使う芋の処理が、一般の芋焼酎と違う。通常は皮付きのまま、端や痛んだ部分を包丁で切り落として仕込むのだが、この焼酎の場合は皮を剥くのである。
しかも、それは手作業による。流石に包丁ではなく皮剥き器を用いるようだが、それでも大変な手間である。そのため、毎年北九州の酒販店グループが、手弁当で手伝いに行くのが恒例となっているとの由。
さて、その皮を剥くということであるが、これには賛否両論ある。果物でも野菜でも、果てまた魚や肉でもそうだが、皮のあるものは、その直下が美味しいというのは広く知られた事実だ。そこに旨味成分が詰まっているのである。
だから食感は別として、皮のまま食べる方がおしなべて美味しい。焼酎の仕込み原料についても、同じことが言えよう。しかし、一方で清酒の仕込みにおいて、また食用白米でも米の表皮を削るように、そこには雑味ともなる成分が含まれている。
綺麗ですっきりした酒を造ろうと思えば、皮を取り除くという考えは、一概に捨てられるべきものではないだろう。ここのところは、大変微妙な部分だ。旨味と雑味というのは、表裏一体なのであるから。
そういった理由で、この姶良は大変すっきりした酒に仕上がっている。癖がなく、特に今回のようにオン・ザ・ロックスにすれば、スイスイといただける。カクテルの基材にしてもよさそうな香味である。
私は否定的ではない。そういうコンセプトを諒解した上で味わえば、それはそれで良いまとまりを見せている。例えば清酒の淡麗を謳うものと比べても、しっかりした酒としての味わいを感じることが出来るのである。 (C)2008 taikomochi
皮むき焼酎では、宮崎県の宮田商店さんが造る「銀の星」が大好きです。決して「姶良」を否定しているものではありませんが、おっしゃるとおり「姶良」はすっきり、「銀の星」はゆったり、やさしくといった感じでしょうか。
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taikomochi-otona at 2008-07-13 07:37
by taikomochi-otona
| 2008-07-11 23:00
| 焼酎・泡盛
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