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2009/08/26 「潺々」。四度目

今宵は会食。静岡市内の「グランドホテル中島屋」を昭和通りに向かったところ、割烹「潺々(せんせん)」。私は昨年二度行き、今年もこれで二度目。多分、都合四度目である。

この店、私は相当気に入っている。いま静岡で、鮮魚などに頼らない凝った和食を、上質で落ち着いたサービスのもとでいただきたいと思ったら、私の知っている中では潺々が一等。

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二度目の訪店後に、手紙にて写真撮影をご遠慮願いたい旨の申し入れをいただき、よって写真はない。それはそれで、こちらも酒食に専念できて有り難くもある。

とはいえ、客人を接待する改まった席。しかしながら、そのお二人の客人ともこの店にはすでに複数回ご一緒している。こちら二人の計四人、お馴染みの顔ぶれだ。

と、ここではたと気が付いた。この店の四回のうち三回は、全く同じ顔ぶれであった。喜ばれ気に入られると、ついつい繰り返してしまう。意識はしていなかったが、意外と芸がないものだ。迂闊である。

直接は伺っていないのだが、風の噂によると大将は関西の修行だという。静岡の割烹は関西系が多い。行きつけの「寿々半」、その隣の「ひでじ」、そして鷹匠の「寿々喜」など。これら、すべからく良い店だ。

要するに私は、ちゃんと出汁が取れる料理人がやっている店が好きなのだな、と自身で感じる。さらには、「刺身」よりも「造り」といった方が似合う、調理に盛り付けが好きなのだ。

もちろんそれは業態にもよるのであって、割烹では、という断りが付く。気安い店ではもちろん、大振りの刺身で構わない。いずれにせよ、酒を覚えたのが京都なので、その影響は間違いなく色濃くあるだろう。

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とはいえ潺々、素材も極めて確かなものである。魚は焼津など地のもの中心、鶏は産地は知らねど滋味溢れる地鶏。しかし、それらに加えられている調理料理が素晴らしいのが、ここの特長。

この日もいつものように、出される料理はことごとく逸品。思わず唸らずには食べられない。単純な品ではないので、なかなかここで描写するのが困難である。

呑みものは生ビールで喉の渇きを潤した後、いつもの通り「磯自慢」の「酒友」をぬる燗に付けてもらう。絶妙な燗の具合。いつぞや女将にその旨申し上げたところ、いろいろ試してこの温度が良かったので、と仰っていた。素晴らしい熱心さ。

〆の甘鯛の炊き込みご飯。これがまた、すこぶる付きの絶品。出された時には茶碗に盛られていたが、炊く前に土鍋に仕込んだのが開陳されていて、期待感が高くなっている。

そうしてその、甘鯛の旨みと少々の醤油のみの味付けの、少し糯が混ぜられたご飯の珠玉のような美味しさ。おかわりを断ること叶わず。

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本日も接待の改まった席、しかも四名とて、奥の個室に引っ込んだ。最近は、この店ではいつも座敷である。本当はカウンターに座りたい。今度誰か誘って二人で来よう。

しかし、ここは同伴が多く、隣から香水の匂いがプンプンして来る心配が付きまとう。それだけは勘弁願いたい。また、お姉さん方にはぜひとも、仕事に就く直前に香水を使用してもらいたいと、切に願うものである。 (C)2009 taikomochi
by taikomochi-otona | 2009-08-26 23:59 | 外呑み | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona