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2010/12/09 三島で鰻、のちバー「YUMOTO」

三島の街の適度な場末感が好きだ。ポツリポツリと灯が点り、しかし点っているのであって、決して消えてはいない。ポツリポツリと人の塊がおり、しかしいるのであって、決して人通りが途絶えているわけではない。

楽寿園の暗さに象徴される陰影。灯りの色は飽くまで原色だが、ところどころに見えるそれらが、かえって陰を引き立てる。キャバクラの客引きが、通りの向こうから道路越しに声を掛けてくる。

そんな街の雰囲気をそのまま店内に引き込んだ、鰻の「本町うなよし」。ほど良い場末感が店内に、そしておばちゃんに、心なしか料理にも映り込んでいる。

鰻屋なのに、注文した料理が出てくるのは滅法早い。骨せんべいが速攻なのは理解できるが、アテに頼んだ肝焼、うざく、白蒸が卓に揃うのに10分ほど、というのは凄まじい。
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生ビールで喉を潤した後、清酒(銘柄失念)の燗酒でいただくそれら、旨かったかとまともに聞かれれば言葉を濁す。だが、そんなこんなと書いていながら、決して不愉快ではないし、楽しかったのである。

〆に頼んだ鰻丼、余りの飯の多さに半分ほど残してしまったのは申し訳なかった。おばちゃん、許せ。

一方で、その場末も極まった風俗店のある通りに位置しながら、ファサードから独特の気品を放ち、ドアの向こうには洗練された別世界が広がるのがバー「YUMOTO」。バーテンダーコンテストの成果などを経て、今や名店として名高い。
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実によい店である。居心地、サービス、酒の味。12月とはいえ木曜日なのに、入れ替わり客が入って来て、カウンター、テーブルとも満席。外の場末感を味わっているだけに、みんなどこから来たの、という感じ。

店の奥は川に面し、ライトアップされている。季節がら、サンタクロースが木に。登ろうとしているのか、降りようとしているのか、判断はその時々の気分だ。
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高名なオリジナルカクテル、アプローズをまずはいただく。甘いが、美味しい。ジンバック、ポルト、アイラのロブロイ、テキーラといただく。

すこぶるつきの心地良い時間だ。これから静岡に帰ること、新幹線の時間のことなど、すべて忘却してしまいたい。 (C)2010 taikomochi
by taikomochi-otona | 2010-12-09 23:59 | 旅・出張呑み | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona