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2014/05/20 特蒸泰明

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ミーハー的な印象を与えてしまうが、麦焼酎で一番好きなのはやはり「兼八」ということになる。二番手として何本かが追従するのだが、そのグループに「特蒸泰明(とくじょうたいめい)」は確実に入る。

大分県豊後大野市、藤居醸造の酒。「飲みやすさを追求するよりも、むしろ飲み応えのある焼酎を造っていきたい」との方針のもとで醸されている。

これには強く共鳴する。「飲みやすさを追求するよりも、むしろ○○のある焼酎を造っていきたい」という考え方は大歓迎である。

「のみやすい」ということが、どうして酒の評価基準として一般化されたり重視されるのかがさっぱり分からん。清涼飲料ではなく、卑しくも酒である。

「水の如し」という意を名に冠した清酒があるが、ならば水をのめば良かろう。ひねた性格ではそう思ってしまう。酒は経験を積んでこそ呑めるようになるものだ。

その経験が深くなればなるほど、味わいを理解し、美味しいと思うようになる。アルコールのように体に毒なもの(良い面もあるがそれは措いて)が、そもそもとっつき良いはずがない。良くてはいけないのである。

これは食べものにも言えることだ。和食などその典型で、ソースやスパイスを効かせた料理のようには、最初からグッとこない。美味しいとは感じられないかもしれない。

しかし経験を積めばつむほど、その味わいが分かっていき、奥の深さの虜となる。それが醍醐味ではないか。薄いとか苦いとか、ハナから嫌って不味いと言い切るのは、子供である。

特蒸泰明には、独特の苦味やエグ味がある。しかしながら、まことに美味しい。惜しむらくは氷が融けるに伴って、その個性が薄まっていく。それがやや顕著なのが、兼八に劣るところである。 (C)2014 taikomochi
by taikomochi-otona | 2014-05-20 23:00 | 焼酎・泡盛 | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona