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2015/05/06 「琴平花壇」の夕食

部屋付露天風呂にゆっくり浸かって汗を流すと、それはもう極楽の心地である。大浴場もいいけれど、この気兼ねなさ、解放感は部屋付ならではである。

二時間ほどゆっくりと過ごして、いよいよ夕食。部屋食であるが、和洋二部屋あるうちの、洋室のテーブルを用いることもできるという。これは、今まで温泉旅館で経験したことのないサービスだ。

因みに寝床もベッド。齢を取るとともに、畳に座ったり立ったりが億劫になってきたなか、食事も睡眠も洋風というのは凄く有難い。
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夕食はこのランクの宿に相応しい美味しさ、さらには器の用いられ方であった。惜しむらくは、この一品という特筆がない。それがこの晩餐に、ともすれば単調さを感じさせる元となっている。

もうひとつ残念だったのは、酒について。地元も地元、琴平町は有限会社丸尾本店さんの「悦凱陣(よろこびがいじん)」が置いてなかったのである。想定外、まことに残念の極み。

「手に入りにくい」と仲居さんは仰る。だが、昨夜の高松の居酒屋にはあった。静岡のワタクシでも、その気になって八方手を尽くせば入手できる。地元の意地を見せてもらいたいものだ。
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代わりに琴平出自の「金陵」をいただくことに。ただ、その蔵元である西野金陵株式会社の登記上の住所は今でも琴平ながら、酒類部の本社は高松市、工場は多度津町なのである。

金陵をぬる燗でお願いすると、仲居さんから「そもそも悦凱陣はお燗につけるお酒ではありませんし」と、良く聞く件(くだん)の一言が。思わず「そんなことはございませんよ」と、きっぱり言い返してしまった。
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清酒に燗が合わないものはあれど、それは香味の性質の問題であって(香りが立ち過ぎて障るなど)、酒の製造法や特定名称に拠るものでは決してない。大吟醸、生酒、濁酒含めて、合うものはあうし、合うものの方が多い。

ましてやある蔵元の酒が、すべからく燗に不向きなどというのは聞いたことがない。実際、悦凱陣には、素晴らしく燗上りする酒がたくさんある。

自ら試行錯誤したうえで、強い信念で打ち出している食べ方、呑み方なら、客への強要も理解はする。しかし、自分の口で確かめたこともないのに、耳に挟んだ生半可な知識で、客にいらんこと言わんで欲しい。

特に旅館の客室係などは、もしかすると客の方がよほど詳しいかもしれんという惧れを、常に持っていてほしいものだ。いやこれは小言が長くなってスマン。 (C)2015 taikomochi
by taikomochi-otona | 2015-05-07 19:00 | 旅・出張呑み | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona