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2015/07/19 龍、beyond

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宮崎県日南市の王手門酒造株式会社は、ワタクシにとって馴染深い焼酎蔵である。というのも、行きつけの同級生が営む料理店「寿々半」では、ここの商品「銀滴」が定番だから。

同じブランドで芋、紅芋、麦と、各種取り揃う。麦を原料とした「むぎ銀滴」はなかなか濃醇な香味が楽しめて、寿々半では好んで呑んでいる。

一方で銀滴のような「一般流通商品」とは別に、「小売店専売商品」「特約店限定商品」といった区分を設けて、かなり尖った商品も出している。昨年呑んだ「悪AQ(あくのくろぶか)」は、小売店専売商品。

このたびの「龍、beyond」は、特約店限定商品。因みに、読みは「ろんてんびよんど」となる。ワタクシは知らないが、かつて「龍。(ろんてん)」という商品があったらしく、その後継という位置づけか。

呑む前に一升瓶を透かせて、さらにグラスに注いでびっくりしたのだが、これほどフーゼル油(ゆ)が浮いた焼酎は初めて。フーゼル油は、アルコール発酵の際に副産物として生成する、アミルアルコールを主成分とする油状の物質。

焼酎の旨みを決定付ける重要な成分だが、気温が下がったときに焼酎の表面に浮き出たり、空気に触れると酸化してしまうなど、多すぎれば風味を損なってしまう恐れのあるものだ。

だからといって腰が引けるワタクシどもではなく、良い経験とばかり表面のそこだけ口に入れてみたが、確かに油っぽいものである。ともあれ、全体の香味に悪い影響はなかったと思う。

無濾過だからこその現象なのだが、確かにこの焼酎はそれが活きている。力強い麦の香味がどっしりと口の中で存在する、かなり強めの風味なのである。そしてやはり、オイリーだ。

全量、愛媛県産はだか麦を使用。白麹で、酵母には「宮崎 MK-021」を用いる。この焼酎の製造に際しては、稼働していなかった河内式蒸留器をわざわざ復活させている。

因みに河内式蒸留器は、泡盛から黒麹を分離して焼酎造りに導入し、それまで清酒と同じ暑さに弱い黄麹を用いていた焼酎造りを飛躍的に躍進させた河内源一郎氏。その会社(株式会社河内源一郎商店として現存)の製品である。 (C)2015 taikomochi
by taikomochi-otona | 2015-07-19 23:00 | 焼酎・泡盛 | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona