この土日は近隣をウォーキングするのみで、大人しく過ごした。もちろん暑いが、立秋からはや一週間、ひところの殺人的な酷暑とは空気が違っているような気がする。
土日とも三食、宅でとっている。午前中に歩き、ついでに買い物をし、帰ってシャワーを浴びる。昨日はビールを、本日は南米チリの泡を呑みながらの昼食。
すると、その昼酒で必ずおちる。気絶すように意識を失う。ということで、ソファーで暫し午睡。のんびりしたものである。ありがたいことである。

昨日の夕食には、スーパーで求めた鰻の白焼を食べた。久し振りだ。蒲焼も大好きだが、それはどうしてもご飯に載せたい。だから酒肴になりにくい。
一方で白焼は、酒肴として秀逸だ。贅沢をいえば肝焼で一杯、そして白焼で杯を重ねて、最後に鰻重と肝吸で締めたいところ。だが鰻は今や超高級品であって、なかなか。
静岡では鰻を食べる機会が他所より多いだろう。それでもすっかり減ってしまった。以前は鰻重の一番安いの、または鰻丼が千円台で食べられたが、そんなのはもうない。あったとしたら、国産ではなかろう。
鰻重の松竹梅と鮨のそれが、過去は似たような価格帯だった。しかし、今では鰻の方が千円ずつは高い。年に数回はランチでいただいていた鰻、縁遠くなってしまったものだ。
刺身盛合せと鰻白焼ということで、久し振りに清酒とした。しかも冷や酒。兵庫県揖保郡太子町、松尾酒造有限会社の「旭龍 にごり酒」。

松尾酒造の創業は1865年だが、後継者難で1979年に生産を休止。しかし2011年、太子町の隣の姫路市に本社を置く、同業の本田商店の支援を受けて酒造りを再開した。
「地域で唯一の蔵元が失われるのが惜しい。製造再開は街の活性化につながる」との本田商店本田社長の呼び掛けで、国税局で働いていた上田護国氏が、2008年に父を継いで社長に就任している。
酒にリボンがついているのは、六月のワタクシの誕生日に愚息が贈ってくれたものだから。これと清酒の二本セット。晩酌であまり酒を呑まないものだから、今になってしまった。
旭龍、にごり酒にしては辛口で、食中酒としていける。同時に濁酒ならではの旨味も十二分にのっていて、これ自体でも存分に味わえる酒であった。 (C)2015 taikomochi