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2019/03/20 水ばしょう

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静岡市葵区与一といえば、市の中心部からは相当離れる印象だ。静岡駅から五キロ余り北、安倍川を少しばかり遡った地区。

その与一に、「水ばしょう」という名で予約制かつ昼夜共ひと組限定の、蕎麦割烹ともいえる日本料理店がある。実のところこの店、中心部の鷹匠から移転してきている。

東静岡駅前でやっていた鰻料理の名店「瞬」も、場所は違うが市内の田舎に引っ越した。思いは個々あろうが、ひとつの流れがあるような気がする。
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水ばしょうの店は郊外の地の利を活かして、広々とした一軒の屋敷に枯山水の庭を配した、粋な造りである。趣きは違うが新しい瞬もそのような傾向で、このあたりが店を移転させる理由のひとつか。

すなわち、料理をただ食として供するのではなく、ある種の総合的な経験として演出する企図がありそう。ために舞台装置としてそれを可能にする立地が必要なのは、納得のいくところである。
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郊外立地ではないが、福岡でお世話になる白金の「奏づ」にも同じ意図を感じる。水ばしょうと同様に客を絞る、否、水ばしょうは昼夜ひと組ずつだが、奏づにいたっては昼夜営業するのに、一日ひと組み限定である。

この営業方法も、やはり料理店が客に供するものを、全体的な経験として定義し直している証左ではないか。そこにある種の没入感を求めるからこそ、相客を忌避しているのではないかと想像するのだ。


そうして水ばしょうの企図を堪能させていただいた後には、タクシーを呼んで市中に戻ってくる。持山さんの店、「バー オンス」を訪うた。

最も先輩であるワタクシが「ジンバック」をお願いするのに、年下の奴らは「タリスカー」だの「ボウモア」を頼んでいる。遠慮の無い時代になったものだ。しかし、大いに結構なことである。

その後ワタクシは「スプリングバンク 12yo」、テキーラ、いつもの締め「ウンダーベルク」をいただく。店から出ると、深夜の静岡は人出が大変多く、相変わらず賑わっている。これも結構なこと。 (C)2019 taikomochi

by taikomochi-otona | 2019-03-20 23:59 | 外呑み | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona