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2021/05/22 シャンバーニュのミュズレ

シャンパーニュ等のスパークリングワインのコルク栓は、蓋付きの針金で押さえられている。アレを「ミュズレ」という(正式にはコルクを含めた栓全体のことを指すらしい)のを知ったのには、きっかけがある。

今から十年ほど前の数年間、仕事の関係で毎年四五回は福岡を訪れていた。ある時、お連れいただいた中洲のクラブの個室に、シャンパンの栓押さえの蓋がボードにたくさん並べられたのが、壁に飾ってあったのだ。

「おっ、なんかエエやん」と、「欲しいな」と思った。後日調べてみると、専用のボードというかケースがあって「ミュズレボード」と呼ばれていた。それであの金具をミュズレということを知ったのである。


その後、自宅で呑んだ際に良いデザインのミュズレは取り置いている。しかし安酒ばかり、オリジナルデザインに出会う機会はそう多くない。たいていは汎用デザインと思われるもので、いくつかのパターンに収まる。

当然、それらは当たり障りのない柄である。なにもないノッペリだったり、スミ一色で星がひとつ描かれていたり。最近はシャンパーニュを呑むようになって多少は期待したのだが、かえってすべからく汎用品である。

これは高級品か安物かに依るのではなく、生産者の規模に関わることだと思い至った。ワタクシが呑む泡は、名も知らぬような小規模生産者のものばかりである。当然、ロットはとても小さいと考えられる。

すると専用デザインのミュズレを作るのは、とてもコストが合わないだろう。よって業者が持ってきた「アリモノ」のカタログかなんか見て、「これにすっかな」とか決めているのではないか。


本日は梅雨のさなか、曇ってはいたが降らずにすんだ。午前中に外に出て、買い物がてら一万歩余りを歩いた。帰宅するとちょうど昼時、まずはシャンパーニュを開けて喉を潤す。そのミュズレが、である。
2021/05/22 シャンバーニュのミュズレ_c0156212_18493871.jpg
腐ってもシャンパーニュ、このミュズレのデザインはイカンではないか。せっかくなのだから、いくら汎用品とはいえ気分がより高揚する方向、シズル感が溢れる方向のデザインを目指してもらいたいものだが、いかがか。

フランスで清酒大吟醸を求めた方が、「さて」と楽しみにシールを剥いたら蓋に「ドラえもん」が描いてある。もしそうならどうよ。それとも意外と「Très bien.! C'est le Japon!!」などと喜んだりしちゃうんだろうか。 (C)2021 taikomochi

by taikomochi-otona | 2021-05-22 23:00 | ワイン | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona
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