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2025/10/16 丹波の黒さや

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稀にご存じない方がいるので僭越ながら指摘しておくと、枝豆は大豆である。「そんなの常識じゃん」という方々には大変失礼した。大豆を未成熟な緑色のうちに枝ごと収穫したのが、即ち枝豆である。

また黒豆は正月のお節には欠かせないものだが、あれも大豆である。常識である。重ねて失礼した。黒豆は表面が黒い大豆で、正式名称は黒大豆という。ということは、黒豆の枝豆も当然存在するわけだ。

上質の黒豆を産する丹波地方の丹波篠山市に、享保19年(1734年)創業の「小田垣商店」がある。老舗の黒大豆卸店で、店舗や事務所棟、住宅など十件が国の有形文化財として登録されているくらいだ。

同店が昭和48年、黒大豆の作柄見本として、完熟する前の若い時期に収穫した篠山産黒大豆の枝豆を世の中に送り出したのが、黒豆の枝豆の嚆矢という。その後「丹波の黒さや」として登録商標された。

毎年10月の二三週間のみ収穫される季節限定商品であり、今では丹波篠山の秋の風物詩となっている由。また収穫時期により色も味わいも変化していき、その時々で個性あふれる味わいを楽しめるのだ。
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今年も大阪の家人の実家から、この丹波の黒さやが送られてきた。毎年の恒例となっており、本当にありがたいことである。今宵の酒肴として、まずは定番通り茹で、いわゆる「枝豆」としていただいた。

黒大豆の枝豆なので莢や実の色は黒く、斑点もあり見た目は美しいとは言えない。しかし粒は飽くまで大きく、味わいは甘味とコクが際立ち、食感もホクホクとしており、このうえなく美味しいのである。

通常の枝豆とは明らかに一線を画すものである。枝豆といえば夏の風物だが、この丹波の黒さやは秋の味覚として毎年楽しみにしているもの。晩酌は鹿児島酒造の芋焼酎「倉津 Silver Delight」とした。 (C)2025 taikomochi

by taikomochi-otona | 2025-10-17 16:32 | 焼酎・泡盛 | Comments(0)

酒がなくても生きちゃいけるが、そんなん人生とはよう言わん。


by taikomochi-otona
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